これから絵の仕事をする人のための快適パソコン選び

これからパソコンを使って絵の仕事をする、あるいは始めた。だけどパソコンの性能があまり良くない、気持よく絵がかけない…
じゃあパソコンを買い換えよう!そういう時に、どういうパソコンを買ったら良いでしょうか?
1高価なパソコンは、もちろんその値段に見合った性能を発揮してくれます。ですが、仕事を始めたばかりだったりすると、あまり金銭的余裕もなかったりしますよね。そこで、なるべく財布に優しく、それでいてお絵かきするには十分な性能を持ったパソコンの買い方を説明しましょう。

内容はザックリ三点に分かれています。
1,「快適」とはどういうことか?(このページです)
2,快適に絵がかけるパソコン「絵師カスタム」を作る
3,いつかかならず訪れる故障に備える
必要に応じて読み飛ばしてください。

プロ用パソコンに必要な快適さ2

プロ用パソコンという訳でもないのですけど、良い絵を描きたいならどうしてもこの程度の性能は必要だ、というラインが有ります。
そこでここではうちでよく使うソフト「ComicStudio」「ClipStuido」「Photoshop」を使うという前提で性能を見積もりました。3Dを使ったり、動画編集をしたりということもあるのですが、これはちょっと高い性能が欲しくなるので、まずは2Dのお絵かき用パソコンで考えます。

良い絵を描こうとすると、どうしても「資料を見ながら描く」必要が出てきます。一つの絵に対して複数の資料を見るのもよくあることです。しかし、資料と制作のウィンドウをクルクル切り替えながら描いていると、だんだん資料を見るのが面倒になり、やがて不正確でどこか違和感のある絵が出来上がります。これを避けるためには、ディスプレイを最低でも2台接続し、資料を表示するビューアーやブラウザを開きっぱなしにしておくのが良いでしょう。
また、絵描き仲間との情報交換は成長の大きなチャンスです。描きながらSkypeやHangoutの画面共有機能を使って制作風景を見せ合うのは、相手の技術を盗む良い機会。お互いに成長の速さが倍増します。もちろん作業のお供にBGMやBGVも大事大事。無いと死んでしまいます。
これだけのソフトが同時に起動していても、絵を描くブラシが重くならないことが必要です。3

ソフトはそれぞれ重さに差があります。もし絵を描いていてパソコンが重たいと思ったら、下のグラフを目安に、「まー無くてもなんとかなるかな」というソフトを終了してみましょう。4

パソコンの値段と性能は一定で伸びない5

実は、パソコンの性能は、値段が2倍なら性能も2倍というわけではありません。パソコンの部品は牛肉と同じ。同じ製造ラインでも、良い部品が取れたり、悪い部品が取れたりします。当然よい部品は数が少ないので、プレミア価格がつきます。というわけで、超高性能パソコンと高性能パソコンは、性能差が10%程度でも、価格に2倍の開きがあったりします。

一方で、パソコンは消耗品です。「何もしていないのに壊れた」とは初心者が経験者に泣きつく時の常套句だったりしますが、実際に「何もしていないのに壊れた」は発生します(ただまあ大体の場合悪いのはあなたです)。壊れなくても、だんだん調子は悪くなる。だいたい3年、遅くとも5年で買い換える必要が出てきます。さらにパソコンに慣れてくれば、自分の使いやすいように設定を加えるようになります。自分で設定を加えなかったとしても、近頃のソフトは頻繁にバージョンアップされます。バージョンアップは概ね機能が拡張され、その代わりに少し重たいソフトになります。こうして徐々に快適なパソコンに要求される性能は上がっていくことになります。

ここで、先ほどのパソコン性能と価格の比を思い出してみましょう。2倍の価格差があっても10%しか性能が伸びないなら、そこは10%分の性能を妥協して、パソコンを買う頻度を二倍にした方が、快適でいられる状態を維持できます。6

つまり、「お金を掛けたくないからなるべく安く抑える」のは、「その分次のパソコンを買うまでの期間を短縮する」という意味でも理にかなっています。

絵を描くためのパソコン、絵師カスタム

さて、2つ前のグラフを見ると、快適さを持ったパソコンは18万円以上だ、ということになってますね。まあ大体の目安なので、ガッチリ18万というわけじゃないのですが、なんとなくそんな気がします。でも18万といえばなかなかの大金。そこでもう少し価格を抑えて、でも絵を描く分には18万円以上の性能をもったパソコン「絵師カスタム」を考えます。7

パソコンは、幾つかのパーツで出来ています。そのうち快適に絵を描くのに強く影響するパーツだけ高性能な物に入れ替えて、絵を描く分には快適、というパソコンを作る、というのが絵師カスタムの趣旨です。でもここまでの話がずいぶん長くなっちゃったので、実際にどういうパーツが関連しているかは、次の話で。

→絵師カスタムを作る